独身の暮らし

田舎から出て学生時代を東京で過ごしそのまま就職した私は、未だ独身の一人暮らしで、基本的にきっちりと小遣いが決まっているわけではないのですが、不景気なこのご時世、家賃に光熱費、携帯代と必要なものを引いていくと、自ずと自由に使える額が決まってきます。しかも、その少額なこと…。
そこで、次に、「高校生時代を思い出して、自分で小遣い制にしてみよう!」と、冗談半分でさらなる節約に挑戦してみることにしました。
 思えば、学生時代は「ここで使ってしまうと、来週の雑誌が買えないな」とか「来月、あのアーティストの新譜が出るからその分、昼飯を削って確保しておかなきゃな」と、ぐっとガマンをしたものでした。
 それを思い出して、まずやってみたのは、会社周辺のランチの価格調査。普段は行かないような、ちょっと離れた店にも足を延ばして値段をチェック。安くて満足できる店をピックアップして行きます。曜日によってサービス内容が違う店もあり、ちょっとしたサバイバル感覚というか、ハンターになった気持ちで、昼食をとるようになったのです。
 そのうち、いい店を見つけると後輩や同僚に紹介し、ちょっとした優越感に浸ったり、その内、店の人とも仲良くなったりして、いつもそそくさと済ませていた昼食が楽しみになりました。
 その次にしたのが、定期的に買っている雑誌の選別。同僚に話をつけて、同じ雑誌を買っているようだったら、ちょっとセコイですが、学生時代のように回し読みをすることにしました。
 雑誌社の人には、大変でしょうが、こっちも大変なのです。
「景気がよくなったら、別々に買うから勘弁して!」とか「コンビニで立ち読みで済ませる人もいるんだから、それよりはマシだよな」と、心で唱えて、自分を許すことに。
 回し読みをしていると、結構な節約になり、同僚も私もそれぞれに余裕ができて、たまに、今まで手を出していなかった雑誌に手を伸ばすことが出てきました。そうやっても、自主的小遣い制の範囲内なので以前の出費よりは少なくて済んでいます。
 そんなこんなで、切羽詰まって始めた節約生活だったのですが、今になっては、楽しみのひとつになっています。中でも、自主的小遣い制は、ちょっとしたプレイみたいで「もう今月の小遣い残ってないんだよ~」などと言って、笑いのタネにもできて、機会があれば、誰かに勧めてみたいなと思っていたりします。